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中小企業診断士として思うこと

強みがあるのに売れない会社

5/5/2026

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先日中小企業診断士としての登録が完了しました。
中小企業診断士として登録するには15日間の実務補習ないし実務従事が必要です。
その実務補習で、印象的な企業に出会いました。

その会社の社長は、ITと現場の両方に精通しています。
ITを活用して短時間で見積を作成し、見積回答と同時に仮の製造指示書を発行することで、受注後すぐに製造工程へ移れる仕組みを構築していました。
さらに配送業者のシステムとも連携し、受注から納品までの進捗を「見える化」しています。
顧客にとっては安心して発注できる、とても優れた仕組みです。

しかし実際には、販売は思うように伸びていませんでした。
強みがあるにもかかわらず、それが潜在顧客に伝わっていなかったのです。

具体的には
  • 顧客にとっての価値が整理されていない
  • そのためWEBサイトでも強みが十分に伝わっていない
  • さらにSEO対策が弱く、検索で見つかりにくい
という構造的な課題がありました。

中小企業では、優れた技術や仕組みを持っていても、それが顧客に伝わる形で整理されていないケースが少なくありません。

班としての提言のひとつを「この会社の強みを潜在顧客にどう伝えるか」という視点で整理しました。
社長も非常に前向きに受け止めてくださり、今後の変化が楽しみです。
実務補習を通じて、改めて「強みの整理と伝え方」の重要性を感じました。

最後にご指導頂いた先生方、共に提言書を作ってくれた班員の方々に心から感謝申し上げます。
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なぜ「顧客が組み込まれるように囲い込む」のは難しいのか

30/4/2026

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本年4月10日と同月20日の2回の記事では、
顧客の視点から見た「組み込み」と、
企業の視点から見た「囲い込み」を扱ってきました。

この二つは、実は同じ構造の表裏です。
しかし、相反する要素を同時に満たす必要があるため、
実践するのは非常に難しい戦略でもあります。

① 囲い込みだけでは、必ず嫌われる

• 契約で縛る
• データを人質に取る
• 解約しづらくする

これらは短期的には効果があります。

しかし中長期的には、
不満・不信・離脱予備軍
を確実に増やしていきます。

② 組み込みだけでは、戦略にならない

• たまたま便利
• なんとなく使われている

この状態は再現性がなく、競合が現れた瞬間に簡単に崩れます。
「自然に選ばれている」だけでは、守れないのです。

成功の鍵は「設計された自然さ」

成功している企業がやっているのは、
顧客に不自由さを感じさせないまま、
逃げにくい構造を意図的に設計することです。

Apple、VHS、Netflix。
これらに共通するのは、
この“高度なバランス”を実現している点です。

明確な分かれ道

実務の現場で見ると、分かれ道ははっきりしています。
❌ うまくいかない囲い込み
• 「継続契約にしてください」
• 「最低◯年縛りです」
• 「今やめると損ですよ」

⭕ うまくいく組み込み設計
• 業務フローの一部になる
• 意思決定の前提になる
• 情報・人脈・判断軸を提供する

顧客は、
「縛られている」とは感じず、
「ここにいるのが自然だ」と感じます。

中小企業が狙うべき、現実的なステップ

重要なのは、最初から完璧を狙わないことです。
現実的には、

1. 単発 → 継続
2. 継続 → 依存(良い意味で)
3. 依存 → 習慣

この段階設計で十分です。

ひと言で言うなら

囲い込もうとした瞬間に失敗し、
組み込もうと設計した結果、囲い込まれる。
この視点を忘れなければ、
価格競争とは別の土俵で戦えるようになります。

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なぜ価格競争に陥る会社と、抜け出す会社があるのか

20/4/2026

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― 規格戦争の勝者に学ぶ ―
  • ベータ vs VHS
  • DVD vs Blu-ray
  • Netflix vs Disney+
一見バラバラなこの3つの戦い。
実は、価格競争に陥る企業と、陥らない企業の違いを非常に分かりやすく教えてくれます。

共通点① 勝ったのは「一番安い」でも「一番高性能」でもない

まず重要な事実があります。
  • ベータはVHSより高画質
  • DVD陣営も一定の支持があった
  • Disney+は最強クラスのIP(作品)を持っている

つまり、負けた(あるいは劣勢の)側が「劣った商品」だったわけではありません。
それでも、市場は別の選択をしました。

共通点② 勝者は「比較されない立場」を作った

VHSは
「どのメーカーでも使える」標準になりました。

Blu-rayは
PS3に標準搭載され、「選ばされる規格」になりました。

但し両方とも最終的には負けた。
そしてDVDは“使われる環境”には組み込まれたが、“顧客の行動”には組み込めなかった。

Netflixは
「動画=とりあえずNetflix」という
習慣そのものを押さえました。

ここで起きているのは何か。
価格やスペックで比較される土俵から降りている
ということです。

価格競争に陥る会社の共通点

中小企業の現場でも、同じ構図が見られます。
•「他社と同じこと」をしている
•「違いは価格です」と言ってしまう
• 顧客が簡単に乗り換えられる
この状態では、値下げ競争に巻き込まれるのは必然です。

勝者がやっているのは「囲い込み」ではなく「組み込み」

規格戦争の勝者たちは、顧客を“縛った”のではありません。
• 生活に
• 業務に
• 習慣に
自然に組み込んだのです。

だから顧客は、
「高いか安いか」ではなく
「変える理由がないか」で判断します。

中小企業が価格競争から抜け出すための視点

ポイントはシンプルです。
① 商品を「単発」で終わらせない
→ 継続利用・継続接点を設計する

② 周辺サービスを重ねる
→ ノウハウ、サポート、データ、人脈

③ 顧客の業務や意思決定に入り込む
→ 「あなたがいないと困る」状態を作る

これができると、
価格は比較対象から外れ始めます。

まとめ:価格競争は「戦略の結果」であって「運命」ではない

規格戦争が教えてくれるのは、こういうことです。

勝つのは、
安い会社でも
技術が一番の会社でもなく
顧客の選択肢を減らした会社である。

価格競争に悩んでいるなら、
値段を下げる前に、こう問い直してください。
  • 自社は「替えがきく存在」になっていないか
  • 顧客の中に、きちんと組み込まれているか

ここを変えられた会社から、
価格競争は自然と終わっていきます。

※本記事は、中小企業診断士実務補習等で見えてきた構造を、規格戦争の事例に置き換えて整理したものです。

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    執筆者

    imwz経営サポート代表
    伊藤安彦
    不定期ですが、頑張ってアップします。
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