<![CDATA[【経営者のちょっと聞きたいに応える】imwz経営サポート - Blog]]>Thu, 25 Jun 2026 06:17:46 +0900Weebly<![CDATA[管理会計の本質は分析ではなく「ルール設計」である]]>Sun, 21 Jun 2026 22:00:00 GMThttp://www.imwzyou.com/blog/9743603AIが分析する時代、人間にしかできない仕事
AIによる業務効率化が進む中、管理会計の役割も変化しつつあります。
これまで多くの時間を費やしてきた集計や分析業務は、AIが担う場面が増えていくでしょう。
しかし、それは管理会計が不要になることを意味するのでしょうか。
私はむしろ逆だと考えています。
AIの普及によって、管理会計担当者には「本来担うべき役割」がより強く求められるようになるでしょう。

AIは分析業務を大きく変える

これまで管理会計担当者は、売上や原価のデータを集計し、利益率の変動要因を分析し、経営者へ報告する役割を担ってきました。

しかし今後は、AIが膨大なデータを瞬時に処理し、
  • 原材料価格の上昇
  • 歩留まりの悪化
  • 販売単価の低下
  • 生産量減少による固定費負担の増加
といった要因候補を自動的に抽出できるようになるでしょう。

また、その分析結果を確認するのは経理担当者だけではありません。
工場長や製品責任者、営業責任者といった現場責任者が直接AIの分析結果を確認し、自ら意思決定を行う場面も増えていくはずです。

つまり、
「数字を集計し、過去を分析して報告する」
という管理会計の役割は、AIによって大きく変化していきます。

それでもAIが決められないこと

一方で、AIには決められないことがあります。
それは、
「何を評価するのか」
という経営そのものに関わる問題です。

例えば、
  • 売上高を重視するのか
  • 利益率を重視するのか
  • 顧客との長期的な関係を重視するのか
  • 技術力の維持・向上を重視するのか
によって、会社が見るべき数字は変わります。

AIは過去の事例や業界標準をもとにKPIを提案することはできます。

しかし、
自社は何を大切にする会社なのか
を決めることはできません。

KPIを決めることは、経営方針を決めることでもあります

管理会計の本質は、単に数字を集計することではなく、経営者が目指す方向を数字に落とし込むことにあります。

AI時代に求められるのは「経営設計力」

これからの管理会計担当者に求められるのは、分析能力そのものではありません。

むしろ、
  • どの指標を評価するのか
  • どのようなルールで事業を判断するのか
  • どのタイミングで撤退や投資を判断するのか
といった経営のルールを設計する力です。

例えば製造業であれば、
  • 製品別採算をどこまで把握するのか
  • 固定費をどのように配賦するのか
  • 新製品開発をどのように評価するのか
によって、経営判断は大きく変わります。

これらは計算技術の問題ではありません。
経営者の考え方や会社の戦略と密接に結びついた問題です。

管理会計は本来の姿に戻る

AIによって、仕訳や集計、レポート作成といった業務は大幅に効率化されるでしょう。
しかし、それは管理会計担当者が不要になることを意味しません。

むしろ、
「何を測るのか」
「どのように評価するのか」
「その数字をもとに何を判断するのか」
という、本来管理会計が担うべき役割がより重要になります。

AIは優秀な分析者にはなれます。
しかし、会社の未来を決める評価基準やルールを決めることはできません。
AI時代に求められるのは、「数字をまとめる人」ではなく、「経営のルールを設計する人」です。
管理会計は不要になるどころか、本来の姿へ回帰していくのではないでしょうか。

皆様
これまで当ブログをご覧いただき、誠にありがとうございました。
今後はnoteにて記事を発信していきます。
【今後の移行先(note)はこちら】
https://note.com/royal_lotus1266
なお、当ブログの記事は1か月間ほどはこのまま残しておく予定です。

またご相談は
imwzyou@outlook.jp
までお寄せください。

環境は変わりますが、今後ともよろしくお願いいたします。
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<![CDATA[中途半端なIT化が、現場を一番疲弊させる]]>Sat, 20 Jun 2026 16:00:00 GMThttp://www.imwzyou.com/blog/it「IT化を進めたのに、なぜか現場のスタッフが疲弊している」
「システムを導入したのに、業務が楽になった実感がない」

中小企業の現場で、こうした声を耳にすることがあります。
多くの場合、問題はシステムそのものではありません。
本当の原因は、「中途半端なIT化」にあります。
今回は、身近な牛丼チェーンの注文システムを例に、その理由を考えてみたいと思います。

現場を苦しめるのは「脳内スイッチング」
牛丼チェーン各社のシステムを見ていると、それぞれ異なる考え方で設計されていることが分かります。

例えば松屋は、注文から会計までをできるだけシステムでつなげる方向に進んでいます。
利用客は券売機で注文と決済を済ませ、その情報が厨房へ送られます。

一方で、注文はデジタル化されていても、会計は有人レジで対応する店舗もあります。

どちらが正しいという話ではありません。
しかし、現場の負担という視点で見ると大きな違いがあります。
注文だけが自動化されても、スタッフは調理をしながら客席を確認し、会計対応が必要になればその都度作業を中断しなければなりません。
調理、接客、会計、現金管理。

こうした業務を頻繁に切り替えることになります。
人間はコンピューターではありません。
作業を切り替えるたびに集中力は消耗します。
この「脳内スイッチング」の積み重ねが、疲労やミスにつながるのです。

経営者から見れば、
「注文受付の負担が減った」
かもしれません。

しかし現場から見れば、
「結局、仕事はあまり楽になっていない」
ということもあります。

ここにIT導入の落とし穴があります。

部分最適ではなく、全体最適を見る

IT導入で陥りやすいのは、目の前の業務だけを効率化して満足してしまうことです。
システムは導入した瞬間に価値を生むわけではありません。
業務全体の流れの中で機能して初めて効果を発揮します。
中小企業では予算や人員の制約から、システムを段階的に導入することも少なくありません。
それ自体は決して悪いことではありません。

しかし重要なのは、最終的にどこを目指しているのかを明確にしておくことです。
「どの作業をなくしたいのか」
「どこまで自動化したいのか」
というゴールが共有されていれば、過渡期の不便さも受け入れやすくなります。

反対に、ゴールが見えないまま部分的なIT化を繰り返すと、
「また面倒な仕事が増えた」
という不満だけが残ってしまいます。

「中途半端なIT化」が起きる本当の理由
では、なぜ企業は中途半端なIT化に陥るのでしょうか。
もちろん予算の問題はあります。
しかし、実際にはそれ以上に大きな原因があります。

それは、経営者と現場の間でゴールが共有されていないことです。

経営者は、
「システムを導入した」
「入力作業が減った」
と考えています。

一方で現場は、
「別の作業が増えた」
「結局、二重入力が残っている」
と感じていることがあります。

経営者は導入を見ています。
現場は運用を見ています。
この認識のズレが、中途半端なIT化を生み出すのです。

本来、IT化の目的はシステムを導入することではありません。
現場の業務を楽にし、顧客への価値提供に集中できる環境をつくることです。
そのために必要なのは、高価なシステムではなく対話です。
経営者が考える理想の姿と、現場が抱える課題を結び付けるコミュニケーションです。
IT化の成否を決めるのは、最新のシステムでも高価なソフトウェアでもありません。
経営者と現場が同じゴールを共有できているかどうかです。

システムの問題に見えて、その本質は組織のコミュニケーションの問題。

​牛丼チェーンの注文システムから学べることは、意外にもITの話ではなく、人と組織の話なのかもしれません。
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<![CDATA[語られる商品には、語られる想いがある]]>Sat, 20 Jun 2026 00:03:40 GMThttp://www.imwzyou.com/blog/june-20th-2026人は商品を買うだけでなく、その背景にある想いにもお金を払っているのかもしれません。

先日、日経MJに大変興味深い新興企業の取り組みが掲載されていました。
全国各地の中小企業や農業の支援を手がける「空とぶネコ合同会社」が6月下旬に発売する新商品。
その名も「3000kmブランマンジェ」です。

この商品は、応援購入サイト「Makuake」での先行販売開始わずか2時間で目標金額を達成し、その後も購入額を大きく伸ばしました。
なぜ、このブランマンジェはこれほど多くの人の心を動かしたのでしょうか。

3000km離れた2つの食材が出会う場所
まず目を引くのは、その圧倒的なこだわりとストーリーです。
メイン食材は、オホーツク海に近い北海道西興部(にしおこっぺ)村の萩原牧場で、牧草だけを食べて育った乳牛から搾られるグラスフェッドミルクの生クリーム。
そして、そこから約3000キロメートル離れた鹿児島県喜界島のファームテック喜界で、収穫当日のサトウキビの搾り汁だけを使って作られる純黒糖です。
この日本の北と南にある二つの厳選食材を、福岡県のミシュラン一つ星獲得店の辻光シェフが一つのデザートへと仕上げました。

「北海道と鹿児島の厳選食材、そしてミシュランシェフの技」
これだけでも十分魅力的で、人に話したくなるストーリーがあります。

しかし、ここで一つの疑問が浮かびます。
顧客は、このストーリーだけに惹かれたのでしょうか。

ストーリーの奥にある金子氏の使命
空とぶネコを率いる金子史人代表は、年間200回以上も飛行機で地方へ足を運び、自ら一次情報を集め続けています。
彼を突き動かしているのは、洗練されたマーケティング戦略ではなく、日本の生産現場に対する強い危機感です。
金子氏は自社サイトでこう語っています。
「後継者不足により、長年培われてきた技術や、価値ある素材が市場に届かないという状況を目の当たりにし、これらの課題が地域から新たな挑戦の芽を摘もうとしているという現実を痛感しています。
私たちの使命は、地域に眠る素材や、生産者、メーカーの価値を、一流の料理人や事業者の力を借りて広く世に届けることです。」

日本の基幹的農業従事者は、この5年間で大きく減少しました。
機械化や後継者不足の影響で、大量生産では作れない価値ある食材や技術が失われつつあります。

金子氏の挑戦は、単なるスイーツ開発ではありません。
「地域に眠る価値を次の世代へつなぎたい」
その想いを形にするための挑戦です。

顧客が本当に共感しているもの
私たちはよく、
「これからはストーリー消費の時代だ」
と言います。
商品の背景にある物語を語れば売れる、と考えがちです。

しかし、この事例が教えてくれるのはもう一歩深い本質です。
顧客は、物語そのものに共感しているのではありません。
その奥にある想いに共感しているのです。

3000kmブランマンジェのストーリーが魅力的に映るのは、その根底に
「生産者を残したい」
「地域の技術を残したい」
という金子氏の一貫した使命感が流れているからです。
購入した人の中には、美味しいデザートを買っただけではなく、その想いを応援したいと考えた人も少なくなかったのではないでしょうか。

物語は興味を生みます。
しかし、人を動かすのは、その奥にある想いです。

中小企業が今、本当に伝えるべきこと
これは空とぶネコ合同会社だけの話ではありません。
多くの中小企業にも共通する話です。
私たちは商品を紹介するとき、
・どんな機能があるか
・どんな技術を使っているか
・どれだけ品質が高いか
といった商品特性ばかりを説明しがちです。

もちろんそれらは重要です。
しかし、スペックの差がすぐに埋まってしまう時代において、それだけで顧客の心を掴み続けることは容易ではありません。

今求められているのは、
「なぜこの事業を続けているのか」
「どんな課題を解決したいのか」
「何を未来へ残したいのか」
という企業の想いを伝えることです。

その想いに共感した人は、単なる顧客ではなく応援者になります。
あなたの会社にも、創業の原点や日々の仕事の中で譲れない信念があるはずです。
一見すると泥臭く見えるその想いこそが、大企業には真似できない価値なのかもしれません。

​語られる商品には、語られる理由があります。
そして、その理由の奥には必ず誰かの想いがあります。
「何を売るか」の前に、「なぜやるのか」。
あなたの会社が持つその想いを、もう一度言葉にしてみてはいかがでしょうか。]]>