<![CDATA[経営サポートならimwz - 経営者の”ちょっと聞きたい”に応えます。 - Blog]]>Tue, 08 Jul 2025 04:47:26 +0900Weebly<![CDATA[都議選から学ぶ:中小企業のブランド戦略は”選ばれる理由”が鍵]]>Mon, 30 Jun 2025 23:00:00 GMThttp://www.imwzyou.com/blog/5395983先日行われた東京都議会議員選挙で、石丸伸二氏が立ち上げた政治団体「再生の道」は、「誰もが政治家を志せる社会」を掲げ、政治参加の促進を最優先の目的としましたが、候補者42名が全員落選するという結果に終わりました。この結果は、中小企業の経営戦略においても、非常に示唆に富むものと言えるでしょう。

 「理念」と「具体的な提供価値」のギャップ
 
この問題は、まさに「理念」と「具体的な提供価値」のギャップとして現れます。皆様の会社がどんなに「地域貢献」や「お客様第一」といった素晴らしい理念を掲げていても、それだけではお客様は商品やサービスを購入してくれません。
  • 理念(例): 「お客様の笑顔のために最高のサービスを提供します!」
  • 現実: お客様が求めているのは、「具体的にどういうサービスで、自分のどんな課題を解決してくれるのか?」「他社 と比べて何が優れているのか?」「価格は適正か?」といった、より具体的な「提供価値(バリュープロポジション)」です。

「再生の道」の場合、個々の候補者が独自の公約を掲げたものの、団体全体としての統一された「政策パッケージ」や「当選後に何を実現するのか」という具体的なビジョンが見えにくかったことが、有権者にとっての「提供価値の不明瞭さ」につながったと言えます。

「参加することに意義がある」だけでは選ばれない

「再生の道」は、政治経験を問わず広く候補者を募ることで、「政治参加の促進」という理念自体は体現していました。これは素晴らしい試みですが、選挙においては「参加すること」だけでなく、「選ばれて、期待に応えること」が求められます。

中小企業経営においても同様です。「良いものを作っています」「一生懸命やっています」という思いは尊いものですが、お客様が見るのは、「それが自分の課題を解決してくれるか」「競合より優れているか」「信頼できるか」といった、より現実的な基準です。
  • 理念先行: 「良い会社でありたい」「地域に貢献したい」
  • 市場の要求: 「この会社の商品・サービスで、自分たちの何がどう良くなるのか?」

「再生の道」の敗因は、まさにこの「選ばれる理由」が明確でなかった点にあると言えるでしょう。

まとめ:中小企業が学ぶべき教訓

「再生の道」の都議選の結果から、中小企業経営者が学ぶべき教訓は多岐にわたります。
  1. 理念と提供価値の明確化: どんなに崇高な理念があっても、お客様にとってのメリットや価値として実践できなければ、選ばれることはありません。自社の強みとお客様のニーズを明確に結びつけ、従業員全員で共有し、日々の行動に落とし込みましょう。
  2. 選ばれる理由」の徹底追求: 「良い商品・サービスを作っている」だけでなく、「お客様がなぜウチを選ぶのか?」を常に問い、その理由を磨き続けましょう。

今回の選挙結果をきっかけに、自社のブランド戦略や営業戦略をあらためて見直してみることが、今後の成長につながる一歩となるかもしれません。
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<![CDATA[BCP(事業継続計画)策定は「もしも」の備えではなく「未来」への投資です。]]>Thu, 19 Jun 2025 23:00:00 GMThttp://www.imwzyou.com/blog/bcpBCP(事業継続計画)」という言葉を2011年東日本大震災後耳にされるケースが増えていると思います。
しかし、皆様の中には「人手が回らない」、「大企業がやるものでしょ?」と感じられ、手をつけてない方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、それは大きな誤解です。
むしろ、中小企業こそBCPの策定が不可欠であり、それは「もしも」の備えであると同時に、会社の「未来」を確かなものにするための重要な投資なのです。

なぜ今、中小製造業にBCPが必要なのか?そしてその浸透状況は?

近年の日本は、地震、台風、豪雨といった自然災害が多発しています。
加えて、パンデミック、サプライチェーンの寸断、情報セキュリティのリスクなど、事業を取り巻く環境は常に変化し、予期せぬ事態がいつ発生してもおかしくありません。

もし、貴社が被災し、事業が停止してしまったらどうなるでしょうか?

・納期の遅延や品質低下による顧客からの信用失墜
・従業員の雇用維持の困難化
・資金繰りの悪化
・復旧の遅れによる廃業

このような事態は、想像しただけでも恐ろしいものです。​

​しかし、BCPを策定していれば、被害を最小限に抑え、早期に事業を再開し、お客様や従業員、そして地域社会からの信頼を守ることができます。
では、中小企業のBCP策定状況はどのように推移してきたのでしょうか。
NTTデータの調査結果を見てみましょう。
参照:NTTデータ経営研究所「事業継続に関する企業アンケート調査」

このように、中小企業のBCP策定率は、東日本大震災以降、段階的に上昇し、コロナ禍で大きく伸びました。
しかし、注目すべきは、コロナ禍でBCPを策定していた企業のうち、実際にBCPを発動できたのは約2割にとどまったという点です。
これは、多くのBCPがパンデミックを想定していなかったことが大きな要因と考えられます。

また、コロナ禍を経てパンデミックを想定したBCP策定も増えたものの、2024年の調査ではBCP策定率が低下に転じていることも示唆されています。
これは、コロナ禍の収束により、危機意識が薄れている可能性を示しています。

BCPは「ゴール」ではない、BCMとして継続的な運用を

BCP策定は、あくまで事業継続への第一歩です。
重要なのは、策定したBCPを「絵に描いた餅」に終わらせず、BCM(事業継続マネジメント)として継続的に運用し、定期的に見直すことです。

コロナ禍において、せっかくBCPを策定していたにもかかわらず発動できなかった企業の多くは、継続的な運用や定期的な見直しが行われていなかったことが原因として挙げられます。
事業を取り巻く環境は常に変化します。
ビジネスモデルが変われば、組織体制が変われば、取引先が変われば、災害リスクが変われば、BCPもそれぞれに合わせて柔軟に見直していく必要があります。

BCP策定は「面倒」ではない、自社を見つめ直す貴重な機会

BCP策定は、一見すると手間がかかる面倒な作業だと感じるかもしれません。
しかし、このプロセスこそが、貴社の経営を見つめ直し、企業価値を高める絶好の機会となります。

 リスクの洗い出しと対策の具体化:
 潜在的なリスクを可視化し、それぞれに対する具体的な対策を講じることで、経営の安定性を高めます。
 サプライチェーンの強化:
 取引先との連携を深め、非常時にも安定した供給を確保するための体制を構築できます。
 従業員の意識向上と定着:
 従業員が安心して働ける環境を整備することで、モチベーション向上や離職率の低下にも繋がります。
 企業イメージの向上と競争力の強化:
​ BCPに取り組む姿勢は、顧客や金融機関からの評価を高め、競合他社との差別化にも貢献します。

さらに、BCP策定の過程で、自社の強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)を分析するSWOT分析にも繋がります。
これにより、経営戦略全体の精度を高め、新たなビジネスチャンスを発見できる可能性も秘めています。

全てを完璧に目指さなくてもいい、まずは「できること」から

BCP策定は、最初から完璧なものを作り上げる必要はありません。
まずは、貴社の事業において「最も重要」な業務は何かを特定し、それが停止した場合にどのような影響が出るのかを考えてみましょう。
​そして、その業務を継続するための最低限の対策から検討を始めることが大切です。

例えば、

・安否確認体制の整備
・重要データのバックアップ
・代替生産場所の検討
・主要取引先との連絡手段の確保

など、できることから少しずつ範囲を拡充させていくことで、着実に事業継続力を高めることができます。

BCP策定には公的機関の支援も活用できます。

BCP策定について、どこから手をつけて良いか分からない場合は、公的機関が提供するガイドラインや支援策を活用することをお勧めします。

中小企業庁:中小企業BCP策定運用指針
https://www.chusho.meti.go.jp/bcp/index.html
内閣府:防災情報のページ(事業者のための事業継続計画策定ガイドライン)
https://www.bousai.go.jp/kyoiku/kigyo/keizoku/index.html

これらのガイドラインには、BCP策定の具体的な手順やポイントが分かりやすくまとめられています。

貴社の未来を守り、さらに発展させるために、今こそBCP策定への第一歩を踏み出すことを強くお勧めします。
BCPについて、さらに詳しく知りたい点や、貴社での具体的な進め方にご興味があれば、お気軽にお問い合わせください。
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<![CDATA[原価計算は社内でも役立ちます]]>Sun, 08 Jun 2025 23:00:00 GMThttp://www.imwzyou.com/blog/7479834編集するにはここ前回は、原価計算が価格交渉において有効な武器になり得る点から、その重要性について述べました。今回は「外」に対してではなく、「内」、すなわち社内においてどのように原価計算を活用できるかについてお話しします。

目標値の設定をしよう

原価計算の結果は、目標値の設定に活用できます。そしてこれは、会社全体のベクトルを一方向に向けるための有効な手段となります。
目標値の設定は、まず現実を直視することから始まります。達成困難すぎる目標では従業員の共感を得られませんし、逆に易しすぎる目標では意味がありません。「少し難しいが、頑張れば達成できそうだ」と思える目標が理想です。

そのためには、現実の原単位(作業や材料ごとの単価など)を正確に把握しておく必要があります。また、それが理論値とどれだけ乖離しているかも把握しておくことが求められます。

目標値の設定においては、最初は効果が大きく出やすい項目から取り組むのが効果的です。例えば、全体原価のうち5%しか占めない要素に着手しても、成果が見えにくいため途中で挫折してしまう可能性があります。
原価計算結果から、全体に占める割合が大きい要素を抽出し、「ここにはまだ削減の余地がある」と経営者が判断した項目から取り組むのが良いでしょう。

従業員との意思疎通

設定した目標とその理由については、経営者自らが従業員に説明してください。従業員にその理念や意義を理解してもらうことが大切です。その上で、従業員と一緒に目標達成に向けた改善活動に取り組みましょう。
すでにこうした活動に慣れている会社であれば、従業員が主体的に動ける場合もありますが、初めのうちは経営者が積極的に関与することが求められます。

改善活動の具体的な手法としては、特性要因図(いわゆるフィッシュボーン・ダイアグラム)の作成が有効です。

改善提案との関係

改善提案制度を導入して、従業員のやる気を引き出すことも有効な方法のひとつです。効果のあった提案については、その成果の一部を従業員に還元することで、意欲を継続させることができます。

できれば、提案内容はあらかじめ設定した目標に沿ったものが望ましいですが、制度を始めたばかりの段階では「提案しやすい環境」を整えることを優先し、目標への一致にはこだわりすぎない方が良いかもしれません。

改善提案制度の導入については、各種の冊子やYouTube等でも紹介されていますが、私にご相談いただいても構いません。
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なお、改善提案に対して報奨金を支給する場合、その金額は給与所得として扱われるため、税務上の取り扱いにはご注意ください。

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