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1. 転機と再会
今年の3月末で会社員生活を終え、4月に最初の転職先のCEOにご挨拶に伺いました。 かつての上司で、当時はインテリア事業を担当されていた方です。 その会社は「建材」と「インテリア」の二本柱。 建材事業は安定していましたが、インテリア事業は利益率が低く、苦戦していました。 製品は高い機能性を持ちながらも、設計事務所や代理店経由でしか伝わらず、一般消費者にはほとんど知られていなかったのです。 ところが今回、CEOの口から出たのは「インテリア事業が見違えるほど改善された」という言葉。 その背景には、“製品の価値の伝え方”を根本から変えた経営改革がありました。 2. 「売り方」ではなく「伝え方」を変える CEOが着手したのは、3つの変革です。 ① 一般消費者への直接アプローチ 雑誌広告でBtoCの認知を拡大し、潜在顧客に直接リーチ。 これにより「知る人ぞ知る」存在から「憧れのブランド」へと位置づけが変わりました。 ② 代理店を“ギャラリー化” 一部の代理店を体験型のギャラリーに転換。 誰が説明しても同じブランド体験を提供できるようにし、営業力のバラつきを解消しました。 ③ 自社ショールームの“予約制”導入 ゆったりと時間を取り、専門的な説明や提案を行うスタイルに。 「丁寧な接客」と「特別感」を演出し、製品価値への納得感を高めました。 3. 製品が「体験」に変わった瞬間 こうした取り組みの結果、製品は単なる「高級インテリア」ではなく、 「暮らしの質を高めるインテリア体験」として再定義されました。 価格競争から抜け出し、顧客は“体験への共感”で購入を決めるようになったのです。 まさに「良い製品を売る会社」から「価値を体験として届ける会社」への進化でした。 4. 中小企業にもできる3つの工夫 この話は大企業だけのものではありません。 中小企業でも「価値の伝え方」を工夫するだけで、製品の魅力は何倍にもなります。 ①誰に届いているかを見直す 最終顧客まで自社の強みが伝わっているか確認しましょう。 ② “体験”の場をつくる 展示会・試用・オンライン相談など、実際に体感できる仕掛けを。 ③ 限定性や予約制で特別感を出す 「選ばれた顧客に向けた提案」が、ブランドの格を上げます。 5. まとめ:今日からできる一歩 製品の良さは、伝え方しだいで価値が何倍にも変わります。 機能を語るだけでなく、「体験」として伝える工夫が、次の成長を生む鍵です。 もし「製品には自信があるのに売れない」と感じているなら、 今こそ「価値の伝え方」を見直すタイミングです。 ターゲットを明確にし、伝え方を再設計するだけで、売上の質も顧客との関係性も変わります。 今日からできる“小さな一歩”を、ぜひ始めてみてください。
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