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中小企業診断士試験合格者として思うこと

倉庫の冷気が教えてくれた「経営の真実」

30/11/2025

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―リタイヤして語る棚卸の価値―

「最後の砦」を担った日々

社会人になって以来、私は長年にわたり、毎期の「実地棚卸」という定例イベントに関わってきました。
会社の資産を守る経理にとって、これは避けて通れない――いわば「最後の番人」としての役割です。
今年、会社員生活を終え、もうあの倉庫の冷たい空気に触れることはありません。
当日自然と身が引き締まった、あの独特の緊張感も今では懐かしい思い出です。
太陽の当たらない倉庫や工場の現場はとにかく寒く、早朝からの作業も多いため、正直「好きではない」仕事でした。
しかし、あの地道で面倒な作業こそが、会社の状態を「肌で感じる」貴重な機会だったと、愛着をもって思い出しています。

「余力がない」では済まされない ― 実地棚卸の3つの役割

中小企業の経営者の中には、
「うちにはそんな余力はない」
とおっしゃる方もいるかもしれません。
しかし、実地棚卸は単なる在庫確認ではなく、経営の健全性を支える「内部統制」の要です。
ここでは、実地棚卸が果たす3つの重要な役割を整理します。

① 適正な利益の計算
売上原価は「期首棚卸高+仕入高-期末棚卸高」で計算されます。
棚卸残高を正確に確定しないと、利益も経営判断も誤ってしまいます。
現物を確認してこそ、数字の裏にある「本当の経営実態」を把握できます。

② 不正の発見・予防
帳簿上の在庫と現物を照合することで、横領・盗難・改ざんなどの不正を発見できます。
また、定期的な棚卸を実施することで「不正をやりにくくする環境」を整えることにもつながります。
棚卸は、企業にとって最大の抑止力でもあるのです。

③ 在庫の品質・状態の確認
棚卸の現場では、不良品や破損品といった物理的劣化品、
あるいは陳腐化した在庫(経済的劣化)などを見つけることができます。
こうした気づきは、在庫管理や仕入の見直しにつながります。

面倒を「改善」のチャンスに変える

棚卸が「面倒」と感じる理由の中には、改善のヒントが隠れています。
   面倒な理由             改善の方向性
​点数が多くて数えるのが大変   ⇒ 適正在庫の見直し
種類が多くて整理しにくい       ⇒    共通化・集約化の検討
在庫が分散していて数えにくい  ⇒ 5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の実践

こうした小さな改善が、作業効率の向上やコスト削減に直結します。
「面倒な作業だからこそ、価値がある」――実地棚卸にはそんな側面があります。

経営者へのメッセージ

長年、棚卸の現場に携わった者として申し上げたいのは、
「余力がない」と片づけてしまうのは、あまりにも惜しいということです。
実地棚卸は、自社の状態を肌で感じられる唯一の機会です。
数字だけでは見えない「現場の真実」を知るために、
ぜひ一度、真剣に取り組んでみてください。

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「良い製品」で終わっていませんか?~ 価値の伝え方を変えれば、会社はもっと成長できる~

10/11/2025

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1. 転機と再会

今年の3月末で会社員生活を終え、4月に最初の転職先のCEOにご挨拶に伺いました。
かつての上司で、当時はインテリア事業を担当されていた方です。
その会社は「建材」と「インテリア」の二本柱。
建材事業は安定していましたが、インテリア事業は利益率が低く、苦戦していました。
製品は高い機能性を持ちながらも、設計事務所や代理店経由でしか伝わらず、一般消費者にはほとんど知られていなかったのです。
ところが今回、CEOの口から出たのは「インテリア事業が見違えるほど改善された」という言葉。
その背景には、“製品の価値の伝え方”を根本から変えた経営改革がありました。

2. 「売り方」ではなく「伝え方」を変える 

CEOが着手したのは、3つの変革です。
① 一般消費者への直接アプローチ
 雑誌広告でBtoCの認知を拡大し、潜在顧客に直接リーチ。
 これにより「知る人ぞ知る」存在から「憧れのブランド」へと位置づけが変わりました。
② 代理店を“ギャラリー化”
 一部の代理店を体験型のギャラリーに転換。
 誰が説明しても同じブランド体験を提供できるようにし、営業力のバラつきを解消しました。
③ 自社ショールームの“予約制”導入
 ゆったりと時間を取り、専門的な説明や提案を行うスタイルに。
 「丁寧な接客」と「特別感」を演出し、製品価値への納得感を高めました。

3. 製品が「体験」に変わった瞬間

こうした取り組みの結果、製品は単なる「高級インテリア」ではなく、
「暮らしの質を高めるインテリア体験」として再定義されました。
価格競争から抜け出し、顧客は“体験への共感”で購入を決めるようになったのです。
まさに「良い製品を売る会社」から「価値を体験として届ける会社」への進化でした。

4. 中小企業にもできる3つの工夫

この話は大企業だけのものではありません。
中小企業でも「価値の伝え方」を工夫するだけで、製品の魅力は何倍にもなります。

①誰に届いているかを見直す
 最終顧客まで自社の強みが伝わっているか確認しましょう。
② “体験”の場をつくる
 展示会・試用・オンライン相談など、実際に体感できる仕掛けを。
③ 限定性や予約制で特別感を出す
 「選ばれた顧客に向けた提案」が、ブランドの格を上げます。

5. まとめ:今日からできる一歩

製品の良さは、伝え方しだいで価値が何倍にも変わります。
機能を語るだけでなく、「体験」として伝える工夫が、次の成長を生む鍵です。
もし「製品には自信があるのに売れない」と感じているなら、
今こそ「価値の伝え方」を見直すタイミングです。
ターゲットを明確にし、伝え方を再設計するだけで、売上の質も顧客との関係性も変わります。
今日からできる“小さな一歩”を、ぜひ始めてみてください。
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    執筆者

    imwz経営サポート代表
    伊藤安彦
    不定期ですが、頑張ってアップします。
    ​

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