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中小企業診断士試験合格者として思うこと

原価計算は社内でも役立ちます

9/6/2025

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編集するにはここ前回は、原価計算が価格交渉において有効な武器になり得る点から、その重要性について述べました。今回は「外」に対してではなく、「内」、すなわち社内においてどのように原価計算を活用できるかについてお話しします。

目標値の設定をしよう

原価計算の結果は、目標値の設定に活用できます。そしてこれは、会社全体のベクトルを一方向に向けるための有効な手段となります。
目標値の設定は、まず現実を直視することから始まります。達成困難すぎる目標では従業員の共感を得られませんし、逆に易しすぎる目標では意味がありません。「少し難しいが、頑張れば達成できそうだ」と思える目標が理想です。

そのためには、現実の原単位(作業や材料ごとの単価など)を正確に把握しておく必要があります。また、それが理論値とどれだけ乖離しているかも把握しておくことが求められます。

目標値の設定においては、最初は効果が大きく出やすい項目から取り組むのが効果的です。例えば、全体原価のうち5%しか占めない要素に着手しても、成果が見えにくいため途中で挫折してしまう可能性があります。
原価計算結果から、全体に占める割合が大きい要素を抽出し、「ここにはまだ削減の余地がある」と経営者が判断した項目から取り組むのが良いでしょう。

従業員との意思疎通

設定した目標とその理由については、経営者自らが従業員に説明してください。従業員にその理念や意義を理解してもらうことが大切です。その上で、従業員と一緒に目標達成に向けた改善活動に取り組みましょう。
すでにこうした活動に慣れている会社であれば、従業員が主体的に動ける場合もありますが、初めのうちは経営者が積極的に関与することが求められます。

改善活動の具体的な手法としては、特性要因図(いわゆるフィッシュボーン・ダイアグラム)の作成が有効です。

改善提案との関係

改善提案制度を導入して、従業員のやる気を引き出すことも有効な方法のひとつです。効果のあった提案については、その成果の一部を従業員に還元することで、意欲を継続させることができます。

できれば、提案内容はあらかじめ設定した目標に沿ったものが望ましいですが、制度を始めたばかりの段階では「提案しやすい環境」を整えることを優先し、目標への一致にはこだわりすぎない方が良いかもしれません。

改善提案制度の導入については、各種の冊子やYouTube等でも紹介されていますが、私にご相談いただいても構いません。
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なお、改善提案に対して報奨金を支給する場合、その金額は給与所得として扱われるため、税務上の取り扱いにはご注意ください。

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経営者こそ知っておきたい原価計算

26/5/2025

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原価計算の重要性

1962年当時の大蔵省(現在の財務省)が定めた「原価計算基準」では、原価計算を次のように定義しています。

「製造活動を財務会計から受け取ったデータを、給付(製品やサービス)と結びつけて一定の計算を行い、貨幣価値で表す技術である。」

30年ほど前、私が製錬会社の会計部にいた頃のこと。ある飲み会で先輩から「原価計算とは何か?」と聞かれ、答えに詰まっていると、その先輩はひとこと、「原単位だよ」とおっしゃいました。
「なるほど、上手いこと言うな」と感心し、以来この言葉を大切にしています。

原価計算基準では、原価計算は次の3つの段階で成り立っています。
  1. 原価要素を費目別に分類・測定する
  2. それらを部門別に分類・集計する
  3. 最終的に製品ごとにいくらかかったかを明確にする

この過程を通して「何にどれだけコストをかけたか」がわかります。

先輩の言葉は、このプロセスの中でも「1個あたりの材料や時間(=原単位)」をしっかりつかむことの重要性を説いたのだと、今でも思います。

経営者こそ、原単位を意識すべき

原単位とは、製品1個あたりに必要な原材料の量や製造時間等のことです。これを把握すれば、数字に基づく判断ができるようになります。

例えば「今月の原材料費は高い」と感じても、それが生産増や製品構成に由来するものなのか、歩留まりが悪化したものか、理由が違えば対処も異なります。
また、1個あたりの作業時間が多すぎるなら改善の余地が生まれます。

つまり、原単位の把握は「勘と経験」から「数字と根拠」による経営への一歩なのです。

数字が価格交渉を強くする

先日、経済産業省関東経済産業局の講演を拝聴する機会を得ました。
昨年の調査によると、原料価格やユーティリティ価格等の上昇分を、全てを販売価格に転嫁できた企業は凡そ2割5分、一方まったく転嫁できなかった企業も約2割ありました。全体での転嫁率は約45%とのことです。
興味深いことは、転嫁に成功した理由の中で最も多かったのが、「原価を示して交渉した」こと(約45%)ということでした。

これは、すべての数値を開示することは不可能でしょうが、「説得力のある根拠」を持って価格交渉することがお取引先の理解や納得につながるという証です。
そのためには、やはり日頃から自社の原価、特に原単位をしっかり把握しておくことが欠かせません。

原価計算の基本は身近なところで学べる

国が全国都道府県に設置している「よろず支援拠点」では、原価計算の基礎や計算方法を学ぶことができます。
会計の専門家でなくても、ポイントを押さえれば誰でも身に付きます。
勿論、私にご相談頂いても結構です。お待ちしております。
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​中小企業経営者の皆さまには、数字の裏づけを持った経営判断、取引先との交渉、そして利益改善のためにも、ぜひ「原単位」の考え方を取り入れていただきたいと思います。
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    執筆者

    imwz経営サポート代表
    伊藤安彦
    不定期ですが、頑張ってアップします。
    ​

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