実務補習の中で10百万円超もの売上金横領があった会社が話題になりました。
幸い大部分は回収できたようですが、数百万の損失が出たとのこと。 手口は単純で、売上金の一部を従業員が開設した個人口座に振り込ませていたそうです。 このような事件は、「内部統制の欠如」が大きな問題となります。 横領と聞くと、とても複雑な手口を想像するかもしれませんが、実は「売上金の個人口座への振込」や「費用の架空計上による個人口座への振込」「キックバック」といった単純な手口から発生することがほとんどです。 「横領の発生をゼロにする」というのは、確かに手間もコストもかかります。 しかし、「被害を最小限に抑える(傷を小さくする)」ことは、それほど難しくありません。 今すぐできる!売上金横領の早期発見・対策 売上金の個人口座への振込による横領は、以下の方法で早期発見につながります。 • 売上金額と売掛債権残高の推移を比較する o 売上が伸びていないのに売掛債権残高が増加している場合、顧客からの入金が期日通りに行われていない可能性があります。このような場合は、顧客への催促を行うことで対応できます。 今すぐできる!費用横領の早期発見・対策 費用の架空計上による個人口座への振込やキックバックについては、以下の方法でチェックできます。 • 振込データを前月または過去2ヶ月と比較する o 支払金額が突出している支払先はないか。 o 聞いたことのない支払先(取引先)はないか。 これらのチェックを行うことで、不正な支出を早期に発見し、防ぐことが可能です。 内部統制は「意識」の問題、そして「思いやり」 「内部統制」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、決して特別なことではありません 。 ご紹介したように、少しの意識と確認で、横領のリスクを大きく減らすことができます。 従業員を信じることは経営において非常に重要です。 しかし、万が一、魔が差して不正に手を染めてしまった場合、その従業員も、そして会社である経営者も、双方にとって不幸な結果を招くことになります。 大切なのは、小さな疑問を見過ごさず、誰もが安心して働ける健全な環境を維持することです。 これは、従業員を守ることにも繋がる「思いやり」なのです。
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