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中小企業診断士として思うこと

強みがあるのに売れない会社

5/5/2026

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先日中小企業診断士としての登録が完了しました。
中小企業診断士として登録するには15日間の実務補習ないし実務従事が必要です。
その実務補習で、印象的な企業に出会いました。

その会社の社長は、ITと現場の両方に精通しています。
ITを活用して短時間で見積を作成し、見積回答と同時に仮の製造指示書を発行することで、受注後すぐに製造工程へ移れる仕組みを構築していました。
さらに配送業者のシステムとも連携し、受注から納品までの進捗を「見える化」しています。
顧客にとっては安心して発注できる、とても優れた仕組みです。

しかし実際には、販売は思うように伸びていませんでした。
強みがあるにもかかわらず、それが潜在顧客に伝わっていなかったのです。

具体的には
  • 顧客にとっての価値が整理されていない
  • そのためWEBサイトでも強みが十分に伝わっていない
  • さらにSEO対策が弱く、検索で見つかりにくい
という構造的な課題がありました。

中小企業では、優れた技術や仕組みを持っていても、それが顧客に伝わる形で整理されていないケースが少なくありません。

班としての提言のひとつを「この会社の強みを潜在顧客にどう伝えるか」という視点で整理しました。
社長も非常に前向きに受け止めてくださり、今後の変化が楽しみです。
実務補習を通じて、改めて「強みの整理と伝え方」の重要性を感じました。

最後にご指導頂いた先生方、共に提言書を作ってくれた班員の方々に心から感謝申し上げます。
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安全軽視が生む“非効率”~現場で見た本当の課題

30/3/2026

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先日、ある製造会社の工場を見学しました。
学びも多くありましたが、どうしても気になる点がありました。
それは「安全意識の低さ」と「非効率な作業環境」です。
一見すると別の問題ですが、実は深くつながっている――そんな気づきがありました。

危険と隣り合わせの職場

検品隣のスペースは梱包資材の置き場として利用されていました。
特に目立ったのは、パレットラック3段に積み上げられた段ボールのパレット。
また、瓶等の資材が本来の置き場ではない箇所に雑然と置かれており、そのため人が一人通れる程度の幅しか確保されていない箇所もありました。
メイン通路はある程度の幅が確保されているものの、フォークリフトが自由に旋回するには難しい広さでした。
段ボールはパレットラックの上に置かれていても、万一3段目から段ボールが落ちれば重大事故になりかねません。
「今まで事故がないから大丈夫」という発想は非常に危険です。
一度事故が起これば、労働基準監督署等の査察は勿論、事業停止につながる恐れもあります。
安全はプライスレス、最優先すべきものです。

非効率を生む2つの要因

現場を見て、非効率を招いている要因は大きく2つあると感じました。

① 放置された設備

工場内には使われていない設備が2台も残されていました。
これらは、すでに外部委託や代替方法に切り替えているため不要でした。
撤去すればスペースが確保でき、そちらを活用することで作業効率は大きく改善するでしょう。
​
② 製品ごとの専用梱包材

BtoCもありますが、この会社の事業の中心はBtoBでした。
それなのに製品ごとに専用の段ボールを用意していました。
汎用的な段ボールにラベルを貼る方法へ変えれば、段ボールの種類も減り、管理や保管もずっと楽になります。

まとめ:安全と効率は表裏一体

少し視点を変えるだけで、改善の余地はすぐに見つかります。
安全をおろそかにすれば、効率も落ちる。
逆に、安全を重視すれば効率や生産性の向上にもつながります。

「事故がないから大丈夫」という思い込みを捨て、小さな改善を積み重ねること。
​それが現場を守り、企業の力を高める一番の近道だと感じました。

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倉庫の冷気が教えてくれた「経営の真実」

30/11/2025

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―リタイヤして語る棚卸の価値―

「最後の砦」を担った日々

社会人になって以来、私は長年にわたり、毎期の「実地棚卸」という定例イベントに関わってきました。
会社の資産を守る経理にとって、これは避けて通れない――いわば「最後の番人」としての役割です。
今年、会社員生活を終え、もうあの倉庫の冷たい空気に触れることはありません。
当日自然と身が引き締まった、あの独特の緊張感も今では懐かしい思い出です。
太陽の当たらない倉庫や工場の現場はとにかく寒く、早朝からの作業も多いため、正直「好きではない」仕事でした。
しかし、あの地道で面倒な作業こそが、会社の状態を「肌で感じる」貴重な機会だったと、愛着をもって思い出しています。

「余力がない」では済まされない ― 実地棚卸の3つの役割

中小企業の経営者の中には、
「うちにはそんな余力はない」
とおっしゃる方もいるかもしれません。
しかし、実地棚卸は単なる在庫確認ではなく、経営の健全性を支える「内部統制」の要です。
ここでは、実地棚卸が果たす3つの重要な役割を整理します。

① 適正な利益の計算
売上原価は「期首棚卸高+仕入高-期末棚卸高」で計算されます。
棚卸残高を正確に確定しないと、利益も経営判断も誤ってしまいます。
現物を確認してこそ、数字の裏にある「本当の経営実態」を把握できます。

② 不正の発見・予防
帳簿上の在庫と現物を照合することで、横領・盗難・改ざんなどの不正を発見できます。
また、定期的な棚卸を実施することで「不正をやりにくくする環境」を整えることにもつながります。
棚卸は、企業にとって最大の抑止力でもあるのです。

③ 在庫の品質・状態の確認
棚卸の現場では、不良品や破損品といった物理的劣化品、
あるいは陳腐化した在庫(経済的劣化)などを見つけることができます。
こうした気づきは、在庫管理や仕入の見直しにつながります。

面倒を「改善」のチャンスに変える

棚卸が「面倒」と感じる理由の中には、改善のヒントが隠れています。
   面倒な理由             改善の方向性
​点数が多くて数えるのが大変   ⇒ 適正在庫の見直し
種類が多くて整理しにくい       ⇒    共通化・集約化の検討
在庫が分散していて数えにくい  ⇒ 5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の実践

こうした小さな改善が、作業効率の向上やコスト削減に直結します。
「面倒な作業だからこそ、価値がある」――実地棚卸にはそんな側面があります。

経営者へのメッセージ

長年、棚卸の現場に携わった者として申し上げたいのは、
「余力がない」と片づけてしまうのは、あまりにも惜しいということです。
実地棚卸は、自社の状態を肌で感じられる唯一の機会です。
数字だけでは見えない「現場の真実」を知るために、
ぜひ一度、真剣に取り組んでみてください。

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    執筆者

    imwz経営サポート代表
    伊藤安彦
    不定期ですが、頑張ってアップします。
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