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中小企業診断士試験合格者として思うこと

「なぜか現金がない」~経理を軽視した会社の行方

10/10/2025

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うちは小さな会社だから」「細かいことは担当者に任せているから」
-そう思っていませんか?
もしそうであれば、今回の事例はまさにあなた自身の物語かもしれません。

私が最初に転職した外資系製造会社は、従業員約50名の規模でした。
ところが、入社してすぐに驚く事実が判明します。
前任者は業務の引き継ぎを一切行わないまま3か月前に退職しており、さらに数年にわたって帳簿の粉飾(数字のごまかし)をしていたのです。


原価計算を軽視すると、規模や業種を問わず会社の資金繰りを直撃します。

2005年ごろからリーマンショック前まで、この会社の主原料の金属価格が高騰していました。
にもかかわらず販売価格はほぼ据え置きだったのです。
本来であれば「原価と販売価格の差」に気づくべきでした。

しかし、経営者は全く無知だったのです。
その結果、帳簿上は「順調に利益が出ている」と報告されていましたが、その裏では慢性的に資金がショートし、将来の入金を前倒しで現金化する「手形割引」に頼らざるを得ない状態でした。


見るべきは「表面の数字」ではなく「資金の流れ」

では、原価計算がわからなければ、この事態に気づくことは不可能だったのでしょうか?
この事態から経営者が学ぶべき教訓は、極めてシンプルです。

 異常な資金繰りを察知する:
  帳簿上の利益だけを見て安心しないでください。
  経営者は、会社の現金の動きこそを最も注視すべきです。
  手形割引のような、本来頻繁に使うべきではない資金調達に頼り始めるのは、内部に深刻な問題があることを示す最大の兆候です。

 原価管理の徹底:
  損失が隠された原因は、まさに「原価計算を軽視したこと」にあります。
  プロジェクトや製品一つひとつの原価を正確に把握しなければ、本当の利益が出ているのか、それとも赤字なのかを判断できません。

 担当者の言葉を鵜呑みにしない:
  経理の担当者も、業績悪化を経営者に報告できず、苦し紛れに粉飾に走ることがあります。
  彼らの報告を鵜呑みにせず、なぜその数字になったのか、具体的な資金の流れと照らし合わせて検証する姿勢が不可欠です。

最終的に、この会社は長期にわたる異常な資金繰りから問題に気づきました。
しかし、その段階ではすでに「知らないうちに資本金が吹き飛ぶ」寸前でした。

数字は嘘をつくことがあっても、現金は決して嘘をつきません。
​日々の業務に追われる中で見落としがちな、数字の裏に隠された「声」に、今一度耳を傾けてみてください。



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    執筆者

    imwz経営サポート代表
    伊藤安彦
    不定期ですが、頑張ってアップします。
    ​

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