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先日中小企業診断士としての登録が完了しました。
中小企業診断士として登録するには15日間の実務補習ないし実務従事が必要です。 その実務補習で、印象的な企業に出会いました。 その会社の社長は、ITと現場の両方に精通しています。 ITを活用して短時間で見積を作成し、見積回答と同時に仮の製造指示書を発行することで、受注後すぐに製造工程へ移れる仕組みを構築していました。 さらに配送業者のシステムとも連携し、受注から納品までの進捗を「見える化」しています。 顧客にとっては安心して発注できる、とても優れた仕組みです。 しかし実際には、販売は思うように伸びていませんでした。 強みがあるにもかかわらず、それが潜在顧客に伝わっていなかったのです。 具体的には
中小企業では、優れた技術や仕組みを持っていても、それが顧客に伝わる形で整理されていないケースが少なくありません。 班としての提言のひとつを「この会社の強みを潜在顧客にどう伝えるか」という視点で整理しました。 社長も非常に前向きに受け止めてくださり、今後の変化が楽しみです。 実務補習を通じて、改めて「強みの整理と伝え方」の重要性を感じました。 最後にご指導頂いた先生方、共に提言書を作ってくれた班員の方々に心から感謝申し上げます。
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本年4月10日と同月20日の2回の記事では、
顧客の視点から見た「組み込み」と、 企業の視点から見た「囲い込み」を扱ってきました。 この二つは、実は同じ構造の表裏です。 しかし、相反する要素を同時に満たす必要があるため、 実践するのは非常に難しい戦略でもあります。 ① 囲い込みだけでは、必ず嫌われる • 契約で縛る • データを人質に取る • 解約しづらくする これらは短期的には効果があります。 しかし中長期的には、 不満・不信・離脱予備軍 を確実に増やしていきます。 ② 組み込みだけでは、戦略にならない • たまたま便利 • なんとなく使われている この状態は再現性がなく、競合が現れた瞬間に簡単に崩れます。 「自然に選ばれている」だけでは、守れないのです。 成功の鍵は「設計された自然さ」 成功している企業がやっているのは、 顧客に不自由さを感じさせないまま、 逃げにくい構造を意図的に設計することです。 Apple、VHS、Netflix。 これらに共通するのは、 この“高度なバランス”を実現している点です。 明確な分かれ道 実務の現場で見ると、分かれ道ははっきりしています。 ❌ うまくいかない囲い込み • 「継続契約にしてください」 • 「最低◯年縛りです」 • 「今やめると損ですよ」 ⭕ うまくいく組み込み設計 • 業務フローの一部になる • 意思決定の前提になる • 情報・人脈・判断軸を提供する 顧客は、 「縛られている」とは感じず、 「ここにいるのが自然だ」と感じます。 中小企業が狙うべき、現実的なステップ 重要なのは、最初から完璧を狙わないことです。 現実的には、 1. 単発 → 継続 2. 継続 → 依存(良い意味で) 3. 依存 → 習慣 この段階設計で十分です。 ひと言で言うなら 囲い込もうとした瞬間に失敗し、 組み込もうと設計した結果、囲い込まれる。 この視点を忘れなければ、 価格競争とは別の土俵で戦えるようになります。 先週金曜日、東証グロース上場企業である株式会社はてなより、資金の不正流出に関する発表がありました。
翌営業日(4月27日)の株価はストップ安となり、市場からは厳しい評価が下されています。 この出来事を「上場企業の特殊な問題」として片付けてしまうのは簡単です。 しかし本質はむしろ逆で、中小企業にこそ起こり得る問題です。 本稿では、今回の事案を内部統制の観点から整理し、経営にどう活かすべきかを考えます。 1.何が起きたのか(公表事実の整理) 公表された内容から、主なポイントは以下の通りです。
ここで重要なのは、自社の内部チェックではなく、外部(銀行)からの指摘で発覚したという点です。 これは、少なくとも結果として 「内部のモニタリング機能が十分に機能していなかった可能性」 を示しています。 2.なぜストップ安まで売られたのか 今回の株価下落は、単なる損失額の問題ではありません。 投資家が見ているのは、次の3点です。
“会社として信用できるのか”が問われた結果と言えます。 3.想定される内部統制上の課題(一般論として) 個別の詳細は今後の調査を待つ必要がありますが、一般論として、不正送金が発生する典型パターンは共通しています。
中小企業では特に、この3つが同時に成立しやすい構造にあります。 4.中小企業が最低限やるべき3つの対策 大企業のような高度なシステムは不要です。 しかし、以下の“物理的な仕組み”は必須です。 ① 多段階承認の徹底 作成者と承認者を分離し、ネットバンキングの承認機能を必ず使う ② 決裁権限の明確化 「いくらまで誰が決裁するか」を金額基準で明文化する ③ ブラックボックス化を防ぐ“最低限の仕組み” 振込先登録と送金の担当者をそれぞれ別々にし、“ブラックボックス化”を防ぐ ポイントは、「人を信じない」のではなく、“人に依存しない仕組みを作る”ことです。 5.内部統制の本質は「優しさ」である 現場からはよく、こんな声が上がります。 「いちいち承認は面倒だ」 「信用していないのか」 しかし今回の本質はそこではありません。 問題は、 一人の判断ミスだけで、会社の資金が動いてしまう構造 にあります。 もし承認フローがあれば、 • 自分がミスしても止めてもらえる • 責任を一人で背負わなくて済む という状態になります。 内部統制とは、統制や監視のための仕組みではなく、 「一人のミスを組織で吸収するための安全装置」 です。 6.最後に:明日は自社で起きるかもしれない 今回の事案は、上場企業で起きました。 しかし、構造的には中小企業のほうがむしろリスクは高いと言えます。
「うちは大丈夫」ではなく「明日うちで起きる前提で考える」ことです。 内部統制はコストではありません。 会社を守るための、最も安価で確実な投資です。 |
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