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「Appleの戦略なんて、ウチには無理だよ」 もし、そう思っている経営者の方がいたら、それは少しもったいない話です。 確かに、日本ではiPhoneのシェアは5割超と高いものの、世界全体ではOSシェアは約3割。 台数だけ見れば、Androidの方が多いのが現実です。 それでもAppleが世界有数の高収益企業であり続ける理由は何でしょうか。 Appleの強さの正体は「囲い込みの仕組み」 Appleの本当の強みは、デザインや広告ではありません。 一度選んだ顧客が、簡単には他社に移れない仕組み── いわゆる「エコシステム」にあります。 重要なのは、この考え方が 中小企業でも十分に再現可能だという点です。 経営者が押さえるべき3つの原則 原則① 中核商品を「顧客の起点」にする 単発で終わる取引を、継続関係の入口に変えましょう。 • 住宅リフォーム業の場合:施工して終わり → 生涯の住まいアドバイザー • WEB制作会社の場合:サイト納品で終わり → 継続的なブランド支援 競合が「点」の商売なら、あなたは「線」を作るのです。 原則② 手放せない付加価値を重ねる 中核サービスを中心に、 それがなければ価値が半減する要素を設計します。 具体例 「縛る」のではなく、
「変える理由がない」状態を作ることがポイントです。 原則③ 顧客を“仲間”にする 商品だけでなく、人脈・情報・所属感を提供しましょう。 • 上顧客限定の勉強会 • 成功事例の共有コミュニティ 顧客は、サービスだけでなく 「この場にいる価値」にも惹きつけられます。 まとめ:中小企業こそApple型経営を Appleの戦略は、大企業だけのものではありません。 むしろ、顧客と深く関われる中小企業向きの考え方です。 自社の • 「起点となる商品は何か」 • 「周辺にどんな付加価値を置けるか」 ぜひ一度、見直してみてください。 価格競争から抜け出すヒントは、すぐ足元にあります。
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先日、ある製造会社の工場を見学しました。
学びも多くありましたが、どうしても気になる点がありました。 それは「安全意識の低さ」と「非効率な作業環境」です。 一見すると別の問題ですが、実は深くつながっている――そんな気づきがありました。 危険と隣り合わせの職場 検品隣のスペースは梱包資材の置き場として利用されていました。 特に目立ったのは、パレットラック3段に積み上げられた段ボールのパレット。 また、瓶等の資材が本来の置き場ではない箇所に雑然と置かれており、そのため人が一人通れる程度の幅しか確保されていない箇所もありました。 メイン通路はある程度の幅が確保されているものの、フォークリフトが自由に旋回するには難しい広さでした。 段ボールはパレットラックの上に置かれていても、万一3段目から段ボールが落ちれば重大事故になりかねません。 「今まで事故がないから大丈夫」という発想は非常に危険です。 一度事故が起これば、労働基準監督署等の査察は勿論、事業停止につながる恐れもあります。 安全はプライスレス、最優先すべきものです。 非効率を生む2つの要因 現場を見て、非効率を招いている要因は大きく2つあると感じました。 ① 放置された設備 工場内には使われていない設備が2台も残されていました。 これらは、すでに外部委託や代替方法に切り替えているため不要でした。 撤去すればスペースが確保でき、そちらを活用することで作業効率は大きく改善するでしょう。 ② 製品ごとの専用梱包材 BtoCもありますが、この会社の事業の中心はBtoBでした。 それなのに製品ごとに専用の段ボールを用意していました。 汎用的な段ボールにラベルを貼る方法へ変えれば、段ボールの種類も減り、管理や保管もずっと楽になります。 まとめ:安全と効率は表裏一体 少し視点を変えるだけで、改善の余地はすぐに見つかります。 安全をおろそかにすれば、効率も落ちる。 逆に、安全を重視すれば効率や生産性の向上にもつながります。 「事故がないから大丈夫」という思い込みを捨て、小さな改善を積み重ねること。 それが現場を守り、企業の力を高める一番の近道だと感じました。 ECも直営店も整備したのに、なぜ売上が伸びないのか」
これは、ある老舗食品会社の事例から見えた、非常に本質的な問いです。 対象企業は、国産原料・昔ながらの製法・無添加にこだわる食品メーカー。 BtoBは堅調で、DtoC向けには直営店とECサイトを展開していました。 • 直営店:1日80名来店 • EC:月3,000人弱が訪問、CVR*約2% • しかしEC売上は年間300万円ほど • 直営店では他社オーガニック商品の売上が自社商品の4倍 販売チャネルは揃っているのに、成果が伸びない。 その理由は「価値の伝わり方」にありました。 1. “無添加の価値”が顧客の文脈に届いていない 企業の強みは「無添加」「昔ながらの製法」。 しかし、健康志向の顧客にとって無添加は“当たり前”になりつつあります。 ECでは差別化理由が伝わりにくく、 直営店では来店目的である「オーガニック野菜」の影に隠れてしまう。 つまり、 企業が伝えたい価値と、顧客が求める価値の文脈がズレていた ということです。 2. 購入を後押しする“体験”が不足している 直営店で自社商品の購入率は2割弱。 ECもCVRは悪くないのに、訪問者数が伸びない。 これは、 「興味はあるが、買う決め手がない」 状態です。 • EC:製造工程の動画、メディア掲載、従業員の想いなど“安心を補う情報”が必要 • 直営店:オーガニック米との試食など、“食卓を想像できる体験”が必要 五感で理解できる体験が、購買の壁を越えさせます。 3. マネジメントの意図が現場に届いていない 直営店で他社商品が4倍売れる背景には、 現場が「売りやすい商品」を優先してしまう構造があります。 本来、直営店は自社ブランドを伝える場。 しかし、売上目標だけが強調されると、現場は他社商品を勧めてしまう。 必要なのは次の2つです。 • 目的の共有:「私たちは自社商品の価値を伝えるアンバサダーである」 • 評価指標の見直し:売上だけでなく、自社商品の販売比率や説明回数を評価する 現場が“自社商品を売りやすい環境”を整えることが不可欠です。 4.価値をつなぎ直すことが、DtoC成長の第一歩 ECも直営店も整備されているのに売れないのは、チャネルの問題ではなく、 価値が顧客に届く仕組みが不足しているからです。 • 顧客が求める価値 • 企業が提供する価値 • マネジメントの意図 • 現場の行動 これらをつなぎ直すことで、DtoC販売は大きく伸びていきます。 *CVR:WEBサイトにアクセスした人のうち、会員登録や資料請求、商品購入などの成果(=コンバージョン)に至った人の割合を表す指標のこと、コンバージョン率 |
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